いわにし日記

「いわにし」の取るに足らない日常や思いつき

恥ずかしがっている場合ではない。感謝の言葉を伝えるなら今だ!

恥ずかしい。照れくさい。わざわざ言わなくても…。

感謝の言葉を伝えた方が良いのはわかっているけど、きっかけが…ね。ないよね。

 

気恥ずかしさを上回るほどのきっかけなんて滅多にない。それが僕にとっての現実。

 

ゴールデンウィークの少し前のこと。初任給の使い道についてのアンケート調査をテレビで放送していた。

 

今から飲みに行きます。

欲しかった最新家電を買いに行きます。

堅実に貯金します。

 

晴れやかな笑顔でそれぞれの使い道を答えていた。 様々な使い道がある中でもっとも多かった答えは、「両親へプレゼント」というものだった。

 

それは旅行だったり、食事だったり、両親の好きなものだったり。 素敵な世の中の象徴のようなアンケート結果。

 

本当に?

 

そう思ってしまう僕の人間性。

プレゼントどころか各種税金を親に払ってもらっている私。

年下の新社会人に感心したり、少し疑ってみたり。

 

本当に両親へのプレゼントに使うの?パーっと散財した後の残りでちょっとしたものを買っただけなんじゃないの?

キャバクラ帰りのお父さんが、嫁にシュークリームを手土産に買って帰るように。へそくりでハイブランドの財布を買ったお母さんが、旦那の好物を夕食に用意するように。

後ろめたさと相殺するための思いやりなんじゃないの?

 

思い付くってことは、ちょっとは思っているということ。笑えない冗談をすらすらと思い付いた自分の性根の悪さに引いてしまう。

 

カメラは2人の新社会人に同行していた。

それぞれプレゼントを買って、実家の両親に会いに行く。

 

黙ってプレゼントの入った紙袋を突き出し、「はい、これ、やるよ」なんて反抗期の息子が見せるような渡し方ではない。

「ちょっといいかな」と両親をリビングに呼び出す。ジャケットの内ポケットに手を入れ、取り出したのは1枚の手紙。

 

そこからはもう、文句をつけたほうが負けの素敵空間。 いつどんな理由で伝えられても嬉しいけれど、社会人になった子供から言われる感謝の言葉は一味違う。

 

実感から理解へと繋がった親の苦労や有り難み。湧き上がる感謝の気持ち。

 

それを伝えられた親の嬉しそうな顔。照れくさそうな顔。手紙とともにプレゼントを渡されて涙が頬を伝う。

 

感謝の気持ちを伝える。簡単なようでとても難しい。

 

醤油取って。

ありがとう。

 

その程度なら簡単に言えるけど、改まって伝えるのはとても難しい。

 

昨日は醤油をとってくれてありがとう。

 

一晩置いただけで、醤油のお礼ですら難易度がぐっと高くなる。

 

日々自分が支えられていることは理解している。だけど、感謝の気持ちを伝えるのは難しい。それでも難しい。

 

放送を見て、5つも6つも年下の人間と自分とを比べていた。考えずにはいられない。

 

自分はこのままでいいのだろうか?

 

このまま何も伝えずに過ごしていっていいのだろうか?

 

放送が終わるのに合わせたように、スマートフォンが鳴った。久しぶりに鳴った。

 

父からのメールだった。

たった1行。

 

「住民税89000円を代わりに支払っておきました」

 

照れくさいけど、ちゃんと言葉にしよう。

 

言わないと、きっと後悔する。

 

伝えるなら、今だと思う。

 

 

お父さん、いつもありがとう。