いわにし日記

「いわにし」の取るに足らない日常や思いつき

材が所で適を纏う

実力があれば一年目から1千万円稼ぐことも可能、らしい。

基本給 + 成果報酬で年収1千万円。

 

そんなうまい話ある?と思うのだが、プロ野球のドラフト1位ルーキーの仮契約のニュースを見ると、それくらいはあってもいいよな、と思う。

あっちは契約金1億円の、年俸1千万円だ。

 

まだ何の成果もあげていない(プロとしては)18歳が1億1千万円を確定させているのだから(選手によっては入団が決まるだけでそれ以上の利益を球団にもたらすのだが)、入社1年目の青年(22歳)が、成果をあげた上で1千万円の報酬を得ることはちっともおかしくない。

 

成果報酬(インセンティブってやつ?)によって1年目から1千万円稼ぐことが可能。バイト先の大学生が就職するのはそういう会社だ。

 

彼はいくつかの企業から内定をもらい、あっさりと就職活動を終えた。いわゆる優秀な学生。

 

片っ端から面接を受けて何とか勝ち取った内定ではない(どうやら)。後でネットで調べて、この会社相当なブラック企業だ…と気がついてゾッとするようなことにも当然なっていない。

 

自分の興味ある業界で、自分が興味を持った企業から内定を勝ち取った。選んだ企業に見事に選ばれた(選ばせた)彼は優秀な学生であり、途中下車を選択しなければ、おそらく勝ち組と呼ばれる人生を送ることができる。

 

春になると後輩は見送られる。

新卒で正社員となる。

 

春になる度に私は見送る(職場が変わらないので)。

だらだらと続いていく万年フリーター。

 

僕と彼らの間には、バイト先の先輩・後輩という設定以上の何かなど一つもない。

たまたまバイト先が同じで、たまたま先にバイトを始めていた年上の人と、たまたま後からバイトを始めた年下の人。

たったそれだけの関係。それ以下でもそれ以上でもない。ちょうど、そこ。

 

仕事(つってもバイト)を教えた後輩が、春になる度にちゃんとした社会人になっていく。彼らは有給・ボーナス・家賃手当のある企業で正社員になる。結構みんないいとこ(今は)から内定をもらっているのだ(あくまで自己申告だけど)。

 

あっさりと内定を勝ち取る後輩と一緒にバイトをしていてよく疑問に思う。

 

有能ってどういうことなんだろうな?

 

なんでそうなるの?なんでそれで平気なの?と思うことが多々ある。

 

つけ置きをしないで洗い物を始める時。こびりついたソースを落としきらずに皿を洗い終えた時。乾いていない皿を重ねて収納している時。

 

閉店後の片付けの様子を見ていると、なんでこの子が簡単に就職先を決められたんだろうな、と思ってしまう。

 

汚れが落ちていなくても洗ったから終了。乾いていなくても重ねて収納したら終了。

だってバイトだよ(僕もそう思っているけど)、って気持ちだとしても、バイトとか正社員とかではない部分だと思うのだけど。

 

綺麗になってないじゃん、そのまま重ねたら一生乾かないじゃん、どうやって空気に触れさせるんだよ、と思ってしまう。

 

洗ったし、収納したけど、…え、嘘でしょ?なんの引っ掛かりもなく、こっち終わりました!ってえぇ?

 

そういう大学生すげー多い。みんなではないけど、半分くらいはそんなん。でもあっさり内定を勝ち取って、しっかり正社員(福利厚生充実の企業に)として旅立っていく。

 

後輩は、バイト先では有能ではない。あくまでもフリーターの僕が、僕の基準(僕にとって重要なポイント、必要な気遣い)で有能かどうかを判断しているに過ぎないけど。それに僕がバイト先で有能かどうかがそもそもの疑問ではあるし。

 

有能ってものの定義というか質というか、そういうものが違うんだろうな。

 

先週・今週で日米野球が開催されていたし、サッカーの代表戦も行われていた。

野球とサッカーがとびきり上手でプロになった人たちの中から選ばれた、さらに上手な人たち。日本代表になるのはプロの中でも一握り。

 

彼らはとってもすごいけど、野球が上手な順番で代表に選ばれているわけではない。サッカーが上手な順番で代表に選ばれているわけでもない。

 

セカンドが上手な人とピッチャーが上手な人は違う。フォワードが上手な人とサイドバックが上手な人は違う。

 

それぞれのポジションでは上手い人から選ばれていくだろうけど、センターバックを選ぶ時に香川はどうですか!って選考委員がいたら、そいつの資質が疑われる。

 

適材適所、ってやつでしょうか?

後輩にとってはバイト先が適所ではなかった。だから適材だと思わせるだけのパフォーマンスを発揮することができていない。

 

そう考えるとしっくりくる。有能無能がどんな時でも同じだと考えると全然しっくりこない。

 

彼の持っている能力が十分に発揮される(だろう)場所が内定先の企業であり、十分には発揮されない場所がバイト先なんだろうな。

 

そうであってほしい。せめてそうであってほしい。

そうでないと、あいつが?あいつ程度の仕事ぶりで?と自分の中の黒い部分が動き出し、小さな箱の中に留めておけなくなってしまう。蓋を押し上げ外へ出ていってしまう。

 

綺麗な花を飾るなら清潔な部屋の日当たりの良い場所がいい。積み上げた荷物で陽の差し込まない汚部屋に飾るよりもよっぽど。

 

材が所で適材になり適所になる。そうであってほしいよ、まったく。