いわにし日記

「いわにし」の取るに足らない日常や思いつき

敵は身内にあり

「頭に来てもアホとは戦うな!」という本がどうも気になって、タイトル買いをした。

実用書、自己啓発本、教養、how to本。この手の本は買いたくなっちゃう。AVのパッケージ写真くらい大きく裏切られることもあるけれど、多くの場合に役に立つ。

AVはAVで多くの場合役に立つし、騙された、パッケージと全然違うじゃねぇか!と思っても、そこをぐっとこらえて再生を続けたら意外や意外…なんてことも。

 

この人はこういう不安を抱えているんだな。こういう人間になりたいんだな。
本屋の店員に、自分が埋めようとしている窪みがなんなのかばれてしまう。

 

恥ずかしいけれど、役に立つものとか役に立ちそうなものってどうしても気になってしまう。この手の本は、自分の役に立つかどうかを、ある程度ピンポイントで予測できる。

だからこそ、選んだ本をレジに持っていくのが恥ずかしい。性癖の暴露みたいなものだ。

 

頭に来たときにアホと戦うかどうか。理屈では、戦ってどうする、と思っている。謝ったら帰ってくれるお客さんは、ちょろいじゃんか、と。

しかし、自分がバイトしているときの様子を鑑みれば、ちょっと戦おうとしている。イラっとしてから負け顔を作るまでの間に、相手に向けている視線が鋭くなってしまう。

 

さすがに大学生の時のようにお客さんと言い争うことはしないけど、出入り口のドアの開閉音でかき消されるタイミングで舌打ちするとか、家に帰ってノートに悪口を書くとか、直接的ではないにしろ戦おうとしている。

 

頭に来たときに、相手に勝ち切らせたくない。平謝りをして、相手が正しい主張をしていたということにはしたくない。そういう気持ちがある。

あとは単純に、言ったもん勝ちになってしまうことに納得がいかない。

 

相手を言い負かすとか、論破するとか、もっと直接的に突き飛ばすとか、そういうことはしないにしても、せめて納得感は欲しい。

ほとんど全面的に相手の主張を通すことになったとしても、少しでいいからこちらの抵抗が反映されていて欲しい。

相手にバレない程度には仕返しをしたい。

 

普段店員として酷い目にあっているから、自分が客の時には少しくらい横暴に振舞ってもいいじゃないか。

そういう考え方は嫌いだし、そういうことはしたくない。お互い様の精神を悪用しないでもらいたい。そっちのお互い様はもはやハムラビ法典だ。

 

店員に横暴な振る舞いのそいつをギャフンと言わせたいのだ。

こちらに謝罪を強要するその姿を、会社の大口顧客である取引先の担当者に目撃させたい。

 

お前のせいで会社の年間売上の40%を占めるお得意様を失ってしまえ!

 

頭にくるようなアホが相手だから戦いたくなる。頭に来てもアホとは戦わないなんて、学校から帰って来たらテーブルの上にカントリーマアムあったけど、晩御飯まだだから食べずに我慢しておく、みたいなことだ。
土台無理な話。

 

この本をフリーターが読んだところで、生涯賃金に大きな変動は起こらない。自分とは関係のない世界の話といっても過言ではない。

 

ただそれでも、一つだけ胸に刺さったことがある。自分に向かって矢が飛んで来たわけじゃなくて、矢の軌道に飛び込んで、勝手に刺されたようなもんだけど。

 

反論しないでいると、すっきりとしない気分が残る。だけど、反論した時にすっきりする以外に何かリターンはあるの?(ニュアンスで書いているので抜粋ではない)

 

著者があることについて弁護士の先生に相談した時、このようなことを言われたと書いてあった。本人の言葉じゃないけど、でもなんというか、他人の考えた言葉だとしても胸を打ったんなら著者の手柄みたいなもんじゃん。

大統領の名演説だって、スピーチライターが考えているわけだし。あなたの言葉に胸を打たれました、っていう受け手の感想が全てなわけだし。

 

気持ちがすっきりする以外に何かリターンがあるのか。ぐうの音も出ないってこれのことか!と思った。 気持ちがすっきりしないから戦おうとしてしまうのだが、それ以外にリターンはない。

それこそバイト中ならリスクこそあれど…って話になる。


こいつ腹たつなぁ…を解消するべく戦って、その態度にクレームをもらってしまったら、結局謝罪に応じるしかなくなる。

目撃するのがこの場面この姿では、取引先の担当者はこいつの会社との付き合いを辞めるに至らない。

 

気持ちをすっきりさせることより相手にとっとと帰ってもらうことを優先すれば、戦うという選択肢の序列は下がる。
戦ってギャフンと言わせたところで、どうせ腹は立ったままだ。ざまあみろ!でチャラにはならない。

 

自分の性格を考えたら、撃退したとて10日くらいは思い出しては腹を立てるわざわざ腹を立て直す。こういう追い炊き機能はいらないんだよなぁ…。もうお湯の色変わっちゃってるよ。

 

読み終わって、納得もして、それでもまだ、いやいやそうは言ってもね、と思っている自分がいる。

 

こういうところを割り切れないということは、あなたもアホってことですよ。

 

そう言われてもはっきりとは否定することができない。戦わない方がいいアホは、まず自分自身か?