いわにし日記

「いわにし」の取るに足らない日常や思いつき

スタートLINEが遠くて立てない


3年くらい前のバナナムーンのことを、今でもときどき思い出す。

設楽さんが、まだLINEをやっていないって話をしていた。

 


その頃はもう、テレビで活躍する芸人の多くがLINEなんてさぁ、って時期を終えていた。

〇〇さんが未だにメール派で、連絡するの面倒臭いんだよねー、ってトークが目立つようになっていた。


 

設楽さんの話を聞いて日村さんが言った。

 


時々大御所の方で携帯持ってないって方いるでしょ。LINEやってないって今はその感じになってると思う。


 

その話に衝撃を受けてからさらに3年。


2018年2月11日現在、僕は未だにLINEをやっていない。アプリをダウンロードしてすらいない。

 


現在28歳。

 


同情するなら金をくれ!


安達祐実より上手く言える自信がある。こちとら演技じゃねぇぞ、ただの現実だ。


 

連絡を取る相手がいない。送る相手も、僕に送ってくる相手もいない。スマホをマナーモードにする必要がない。


 

バイト先と実家の両親が時々連絡をしてくる以外は、誰からも連絡がこない。


アドレス変えましたの連絡はもちろん、迷惑メールも来やしない。

 

メールとメールの間隔よりも四季の移ろいの方が早く、この2年でいえば干支の交代の方が早い。


実家以外からのメールの受信は2016年の3月にまで遡る。


 


バイト先には連絡用のグループLINEが存在している。業務連絡とシフトの交代募集をメインに運営がされている。


 

僕はオープニングスタッフのパートさんを除くと最も古株のアルバイトだけど、 グループLINEに参加していない。

 

最近バイトに採用された大学生・高校生は参加している。還暦過ぎてるパートさんも参加している。


 

大学生のアルバイトの子に、いわにしさんもグループLINE入って下さいよ、と言われた。

学生のアルバイトのリーダー格であり、ムードメーカーである大学生に、28歳の僕は怒られている。


 

業務連絡もシフトもみんなで共有しておくべきなんで、LINE教えて下さい、と言われる。

 

共有してるだけで仕事に活かしているやつ1人もいないじゃん。

 

面と向かっては言えないけれど、心で毒付く。

共有した先に誰も進んでないのに、なんで共有することを強制するのだろう?

 


僕は単純にLINEをやっていない。


そのことを伝えた。

 


友達がいないってことは言葉にしていない。


 

連絡を取り合うのは数人だから、メールで事足りるんだよね。


言い訳はしっかり用意してある。

 


用のないメールはしないタイプだから。

ツイッターのやりとりで済ませちゃうから。

 


織田信長の鉄砲隊の如く、次から次へと言い訳ができるように身構えておいた。


 

LINEやってないんだよね。
その言葉を聞いて、大学生は驚き、固まる。

 

その瞬間世界は動きを止めて、色を失う。
手際よく、無駄無く動けたならば、この大学生にビンタをくらわせて、おとぼけ顔で何もなかった振りをすることも可能だろう。

 


色を取り戻し、再び動き出した世界では、大学生が頷いていた。


 

あー、そうなんすねー、、、わっかりました、、、。


 

何が悲しいって、大学生があまりにもすんなりと受け入れてしまったことだ。
またまたーとか、そんな訳ないでしょとか、疑いの眼差しを向けてもらえなかった。

 


ひどいこと聞いちゃったな、みたいな感じ。

 


お前が払えないなら親父の財布から盗んでこいよ。


お父さんは僕が小3のときに死んじゃったんだ、、、。


そっか、ごめん、、、。

 


みたいな感じになった。思いがけず相手を傷つけることになってしまった人のリアクション。


 

僕がLINEをやっていないことのリアリティ。

かわすための冗談に思わせない説得力。

 


LINEやってないって答えることは恥ずかしかった。
だけどLINEやってないって答えてすんなり受け入れられるのはもっと悲しかった。


 

他者と繋がれていないことよりも、他者との繋がりを持てていないことにリアリティが伴っている、そのことのほうが、よっぽど悲しいことだと知った。


 

LINEを始めるきっかけってどこにあるんだろう?

 

スタートラインはどこだ?