いわにし日記

「いわにし」の取るに足らない日常や思いつき

奥歯と噛み合うのは奥歯。

レジ打ちをしていて穏やかな気持ちのまま1日を過ごせることなどない。

 

中継ぎ投手の登板過多による勤続疲労。接客業でもそういうものがある。

お金を放り投げるように出されるとか、小さく折りたたんだお札をそのまま出されるとか、煙草の番号を聞き返しただけで睨まれるとか。

そんな程度のことの積み重ねにより心がぽっきり。

 

1リットルのコーヒー牛乳買った人が、ストローついてねぇじゃねぇか、と血相を変えて店に戻ってくる。冷凍チャーハンを買った人が、スプーンなしでどうやって食べろって言うわけ?と詰めてくる。カット野菜を一袋買った人に、割り箸とおしぼりを3つずつ要求される。

 

そんなことが積み重なって、磨り減り、過敏になっていく。

こちらの普通とあなたの普通。

 

こちらがちょっとしたお客さんの態度に腹が立って仕方がないように、コーヒー牛乳のお客さんも積み重なって怒りが湧きやすくなっているのかもしれない。

どの店で買い物をしても毎回毎回ストローをつけてもらえないから、あんなにも怒っていたのだろう(1リットルのお茶ならまだしも、コーヒー牛乳でストローをつける店員はほとんどいない)。

 

いつも要求しているあなたの普通。毎日相手にする大勢のお客さんから要求されること、要求されないことで固まっていくこちらの普通。

噛み合わない、噛み合わない。奥歯と犬歯は噛み合わない。

 

単純に、人対人なんだけどな、と思う。

大学の時、接客のバイトをしていて常に思っていた。客と店員の前に人対人で、仕事だろ、それくらい我慢できなきゃどうしようもないだろ、って言われることにものすごく引っかかる。

未だに飲み込めていない。

 

そんなことだから30手前にもなって未だにフリーターなんでしょ?←ほらきた、この感じ。

 

こっちは金払っているからね、客だからね、という態度の人が一定数いる。事実金払っているし客だけど、だからなんだよ、と思ってしまう。

そんなことだか…←ほらきた、この感じ。

 

一定数の彼らは一方的に金を払ったわけではない。金と引き換えに商品やサービスの提供を受けている。

だから引っかかる。だから飲み込めないのだ。

 

金と商品やサービスを交換しただけなのに、上からものを申してくる。交換してあげたでしょ、と。

 

10年前、高校3年生だった僕は、冬休みを利用して初めて短期のアルバイトを行なった。もちろん、学校に許可を得て後ろめたさなしで。バイト先はラーメン屋だった。

 

オーダーを受け、ラーメンを運び、会計をする。

すみません、どうも、ごちそうさま。

この3つを言われただけで(もちろん、言い方や声のトーンも関係する)、もうその人たちに優しくしたくなる。なるべく綺麗なお札でお釣りを返したくなる。

 

裏を返せば、その程度のことが当たり前ではないということだ。ちゃんと言ってもらえるのは、すみません、だけ(呼び出しボタンがないお店だったから)。

どうも、ごちそうさま、の3つが揃う人はAB型の人くらい数が少ない。いるにはいるけど、すぐには見つからない。

 

それくらいやっているよ、と多くの人が思っているだろう。だけど、飲食や接客の仕事をしている人に聞けば、それやってくれる人少ないよね、になる。

噛み合わない、噛み合わない。奥歯と犬歯は噛み合わない。

 

すみません、どうも、ごちそうさま。この3つが揃う人に好感を抱き、自分も必ずやろうと思った。同時に大きな疑問も抱いた。

なんで客が上の立場なんだよ、と。

 

お客さんが来て、商品を買ってくれて、それでお店や従業員が生活できている。高校3年生、当時17歳の僕はそれはわかった上で疑問を抱いた。

 

だってあいつら、勝手に店に来て、金払うからラーメン食わせてくれ、って言ってるんだよ。

 

金はないけど、ラーメンを食わせてくれ、って言われても店長はラーメン作らないよ。

 

払う金があって相手してもらえて、金を払ってやっとラーメン食べさせてもらった人が、店より立場が上なの?横並びじゃなくて?

 

金とサービスが交換できたら、店長もお客さんも上も下もないでしょ。人対人で、偉そうな奴がただの嫌なやつってことじゃないの?

 

冬休みが明け、担任に一応のレポートを提出をした(アルバイト許可の条件)。レポートの中には疑問を書いた。9割そのこと。

先生どう思います?と。

 

うん、いい経験をしたね。そう言う先生の顔は少し苦い。僕の考えと先生の考えは噛み合っていたのだろうか。

 

10年前のいわにし少年に伝えたい。

 

全くの同感だ!!!!!

 

奥歯と奥歯でがっちりと噛み合う。こんなにも意見が合う人がいたのかと嬉しくなる。

 

先輩として、いわにし少年に教えてあげたい。

 

その考え方は社会とは噛み合わないぞ。奥歯と犬歯は噛み合わないぞ。

社会が奥歯で、君が犬歯だ。

噛み合わせに行って砕け散るのは、君の方だ。