いわにし日記

「いわにし」の取るに足らない日常や思いつき

振り向くまではわからない

購入したブラシの値段は24840円。

思い切って購入をした。この間うだうだ言っていたローソンで売っているゴディバのチョコレートドリンク65杯分の値段だ。

 

今年の冬は、パーカーにMAー1、パーカーにGジャンというカジュアルど真ん中から少し路線を変更した。ジャケットを買ってみたり、コートを買ってみたり。背伸びして洒落たもの(ジャケット = オシャレ ←この発想の時点でダサい)を買ってみた。

靴や小物の変更は間に合っていないが、そこはまあ、順々に。ネイルのデザインよりも顔面のデザインの変更の方が先なのだ。

 

遅咲きの中2の女子が、ドラッグストアの化粧品コーナーに足を踏み入れるようなドキドキで僕は服屋に足を運んだ。

同級生(特にイケてるグループのおしゃべりなあの子)に見つかりたくない。私のぎこちなさを見てアドバイスをしようとするパートのおばさんが邪魔くさい。親切心はありがたいけど、思春期の恥じらいに当てるにはヤスリの目が粗すぎる。オシャレ心の芽生えが周りよりも少し遅かったことは自覚しているのだ。

 

日頃の手入れが大切らしい、ということは風の噂で知っていた。経験はないけれど、情報だけは届いている。

 

シーズンオフにクリーニング店に持ち込むだけでは不十分。コンディションの良い状態を少しでも長く楽しむには、日頃のケアが重要になる。

 

洗濯する以外にケアと呼べるものをしたことがないけれど日々のケアの差が、シーズン終盤に調子を落とす選手と調子を維持する選手の違いのようなもの、と考えてみると腑に落ちるので、きっと噂通りなのだろう。

ケア用のブラシは必要に違いない。

 

調べてみると、3,000円〜5,000円が定番価格帯で、10,000円あたりがちょいと良いやつということがわかった。

素材には化学繊維、豚毛、馬毛などがあり、それなりの値段を出すとどのメーカーも馬毛になる。

その先は素材や生産の手間暇で値段が高くなっていくようだ。

どういう馬の毛が使われているのか、毛足の長さはどれくらいなのか、機械で植えるか、人の手で植えるのか。

などなど。

 

高いものには高いなりの理由がある、ということなのだろう。ブランド品はなんか違う感じがするけれど、あれはステータスも(むしろメイン?)一緒に買っているようなものなので計算方式は同じでいいはず。

「諸々のコスト+利益+ステータス料」と考えればロゴの有無で値段が10倍になるのも頷ける。3倍じゃ安すぎて買う甲斐がなく、10倍になって初めて妥当な金額と呼べるのだ(人によっては)。

 

僕が買った洋服ブラシは平野ブラシの「手植え水雷型」というもの。お値段は24,840円。

身の丈に合ってないと理解しながらも大奮発して買ったコートで6万円だったことを考えると、5,000円くらいのブラシでよかったんじゃないか、と思わないでもない。

しかし、最初に一番良いの(自分が買ってみたいと思うものの中で)を買えば良い。それが一番安上がりなのだ。

 

5,000円のブラシから入って、もうちょっと良いブラシが買いたいな、と思って10,000円のブラシに買い換える。10,000円のブラシを使って、ここまできたらもう一つ上のランクを試してみたい、と思って今回買った「手植え水雷型」に買い換える。

順を追ってランクを上げていった場合、(最初から選ぶのに比べて)手植え水雷型にたどり着くまでに15,000円も余分に出費が必要になってしまう。これは経済合理性の欠如に他ならない。その金額があればゴディバのチョコレートドリンクを39杯続けて飲むことができる(こちらは健康意識の欠如)。

 

あとは、普通に使っていたら買い換えが必要にならない、というのも最初から手植え水雷型を選んだ理由だ。ブラシの手入れが必要な服をほとんど持っていないので、毛先が広がるよりもコートが寿命を迎える方が早いはず。だからといって毛先が広がる前に買い換えるのは無駄そのもの。買い物下手!万年赤字体質!!

 

手に入れたブラシでコートをひと撫で、ふた撫で。

他人のレビュー(服が蘇った、なんてものもあった)が自分のレビューへと書き換えられていく。

 

値段通りの価値があるのか?24,840円を支払う価値があるのか?

それはもう、あなたの心が感じるままに。あなたがそれだけの価値があると判断するかどうか。ただそれだけ。

 

正直、全然わからない。

経験していないから、5,000円のブラシに比べてどうとか10,000円のブラシと比べてどうとか、ちっともわからない。

それに今年買って数回着ただけのコートだから、ブラシをかける前から生地は艶々で張りがある。今はまだ、乱暴なまでに若さに頼っていても大丈夫なのだ。化粧したまま寝ても平気だし、雑なクレンジングでもなんとかなっちゃう。余裕綽々。下地で5歳若返らせたら未成年になっちゃいますよー。

 

「埃を払うのに便利な道具」

これが実際に使った私の嘘偽りのないレビュー(2018年12月22日現在)。

 

ブラシの価値が証明されるのは、きっと2年後3年後の話になる。ものの良さは今すぐわかっても、それがもたらす価値は振り向く日までわからないのだ。