いわにし日記

「いわにし」の取るに足らない日常や思いつき

私を加えてバランスを崩す

一丁前に悩む。

ズボンの丈の長さはどのくらいが正しいのだろうか。くるぶしの上あたりなのか、くるぶしの下辺りで靴にワンクッションさせるのか。

最近買った細身のチノパンの丈を、どうしたらいいのか悩む。

 

僕は基本的にゆったりとしたシルエットの服を好む。B系とか、ファッション好きが選ぶあえてのゆったり(オーバーサイズ)ではなくて、ワイドとスリムがあったらワイド、SとMで迷ったらMを選ぶ、という意味でのゆったり好き。

 

今まではずっと太めのズボンを選び、ロールアップで丈を調整して履いてきた。太めならぐるぐる巻きのロールアップをして変じゃない(と思っている)んだけど、細身だとロールアップがしっくりこない。

なんか違う。

 

ファッション的に正しいとか正しくないとかは知らないけど、好きな服着ていてしっくりこないのは大問題。


大好きな彼と一緒にいるのに楽しくないのと同じ。

心のどこかで彼の浮気を疑っているのか、先週の仕事終わりの飲み会で仲良くなった後輩が気になり始めているかのどっちか。


それと同じ(?)で、自分の中でしっくりきていないなら正しさが最優先ではないかもしれない。

 

細身だとロールアップする方が正しくなさそう。ロールアップをしたらボリュームが出る。それはある意味個性を殺すことでもある。

そう考えると、ロールアップはなし。

 

丈の長さは本当にわからない。立ち姿だけ見れば、くるぶしの上くらいがすっきりとしていて美しい。

でも、座ると短い。つんつるてんで、思ったより身長が伸びた中学生の制服みたいになる。

 

くるぶしの下まで丈を残して、靴のところでワンクッションさせるくらいの長さだと、たわんだ部分が少しみっともなく見える(そう見えない人もいるけど、違いは何だ?)。

 

両方の長さのちょうど中間が正解なのかもしれないけど、本当に中間が正しくて絶対的な長さなら、くるぶしの上も下もとっくに駆逐されているはずだ。

ファッションって、本当に何が何だかわからない。

 

僕はオシャレというものに対する憧れはあるけど、オシャレが何かをよくわかっていない。

 

オシャレだな、よし、買おう。

 

この感覚がわからない。

格好いいな、なんかいいな、はあるけれど、オシャレだな、はない。

オシャレかどうかってことがよくわからない。

 

好きなブランドはいくつかあって、そのブランドを取り扱っているショップのブログやSNSを時々チェックしている。


服単体だと格好いいけど、着用画像見るとなんか微妙だな、と思うことがある。
反対に服単体だとそんなに魅かれてなかったけど、着用画像を見ると、うわーいいな、と思うこともある。
もちろん、どっちで見てもやっぱいいな、格好いいな、と思うことも。


好きなブランドの製品で、しかもショップ店員の着こなしなので、ダサいと思うことはない。

好きなブランドの、ってことを抜きにしても、たぶんバランスがいいのだろうと思っている。全体のバランスがいいから、格好いいと感じるのだろう。

 

SNSを見ていると、ショップ店員と同じものを身につけていてダサい人がいる。
同じジャケットと同じパンツと同じ靴でコーディネートしているのに、一方は格好良くてもう一方はなんかダサい。

同じ材料と同じ手順で料理させても美味しく作れる人と、まずく作る人がいる。これと同じ不思議な現象。
同じものを同じように着て、仕上がりが全然違う。なんでだろう?

 

ユニクロがジーンズに力を入れ始めた頃、母が店内の巨大パネルを見て言った一言が全てだと思う。

 

藤原紀香が履いていればね。

 

自身の持つ魅力が、足の長さや美しさではなかった母は、女優が履いてりゃ安いジーンズでもオシャレに見えるよ、ってことを言っていた。
(この書き方いいな、他の部分では十分に魅力的ですよ、って逃げ道が残せる。逃げ道って書いちゃうともろバレだけど。)

ショップ店員が着ていればね、だとすれば格好いいに決まってるよね。

 

結局のところ着る人によるのだろう。誰が着るかで全部決まっちゃう。

 

ただ、誰が着るかを最初に考えたら、ダサくない仕上がりにすることは可能だと思っている。
服の組み合わせを先に考えて、最後に誰が着るかを決めるから、同じものを同じように着ているのにこちらだけがダサくなるんだと思う。

 

サイズ感がどうとか、流行りがどうとかあるけれど、ショップ店員が着ると格好良く仕上がるのは、自分が着ることを決めて服を組み合わせているからだと思う。


バランスの良さというものが、僕が感じるところの格好いいな、なんかいいな、であるならば、彼らは自分まで含めてバランスを取っているから格好よくてなんかいいのだ。

 

ダサいっていうのは、先に服の組み合わせでとったバランスを、最後の最後に自分を加えて崩すことだ。

 

丁寧に出汁をとったあとに、ざざっとカレー粉を加えるようなもの。カレー味に支配されて、それまでの準備なんて全部無かったことになる。

 

自分が着ることを理解して、服を選ぶ。

だからこその難題だ。