いわにし日記

「いわにし」の取るに足らない日常や思いつき

バルス ≒ ゼクシィ ?

はっきりさせたら全て解決するから。

我々は白黒つけたがる。白黒つけて得られる幸せは、いつだって期待値を下回るものだと知っているのに。

 

浮気していないっていうならスマホを見せてよ。見られて困るラインがあるっていうの?見られて困る検索履歴があるっていうの?

 

結婚 / きっかけ

プロポーズ / タイミング

マンネリ / けじめのつけ方

指輪 / 給料6ヶ月分

 

え、嘘…うそうそうそ。相場の2倍の予算で指輪を選んでくれるの?

…嬉しい。私との将来をちゃんと考えていてくれてたなんて。

 

白だと言う人もいるだろうが、僕は黒だと思う。3番目がどうにも引っかかる。

 

白よりも黒を選ぶ。黒を選び続ける。

僕は黒派。三角チョコパイは黒派。

 

今年の販売が始まってから10回以上注文(今のところ)をした。その中で、白を注文したのは2回だけ。味に不満はないし、黒よりもチョコがこぼれなくて食べやすい(主観、もしくは個体差)。だけど黒がいい。印象の強いジャケットを爽やかなボーダーで中和するように、チョコらしいチョコをパイ生地で中和したその塩梅が白よりも好きなのだ。

 

値段にも味にもなんの不満もない。しかし、食べづらい。

一口目は問題ないのだが、二口目からはチョコがぴゅいぴゅい飛び出してしまう。上から齧り付けば横からぴゅい。横を齧ろうとすれば開けた上からぴゅい。二口目以降、落ち着いて食べることができない。

 

なるべく飛び出さないように、少し冷ましてから食べてみたこともある。

熱々のチョコとサクサクのパイ生地。二口目以降も美味しく食べるために魅力のダブルセンターを手放したこともある。

 

しかし結果は大して変わらず、チョコは上からも横からもぴゅいと飛び出してしまう。熱々でない分飛び出し方が鈍いだけで、出ていくものは出ていくのだ。

 

その人は出て行ったのだろうか。

仕事から帰ってきて、リビングのテーブルの上にそれを見つけてどう思ったのだろう。

腹をくくるしかないか…。もう終わりってことか…。

どちらの気持ちだったのだろう?

 

やけに大きなコンビニ袋の中に、やたらと分厚い雑誌が入っている。

付き合って2年、同棲して1年2ヶ月。マンネリ化が否定できない関係性。

袋から出さなくてももうわかる。シルエットだけでもうわかる。

 

バルス。心の中に滅びの呪文が聞こえてくる。自身に向けられたものなのか、相手に向けたものなのか。

マンネリ化した恋人関係がこの先も続いていくことはない。コンビニ袋の中には奴がいる。

ゼクシィ。

 

店のゴミ箱の中にゼクシィを見つけた時、そうかぁ…と思った。消滅したのか…とも(ワンコインテロリスト、という言葉もこの時同時に思い浮かぶ)。

大学生の僕にはちっとも重みがわからなかった。取り替えるために持ち上げたゴミ袋がゼクシィの重みで破れそうで、捨てるんなら他のコンビニにしてくれよ、と思ったくらいだ。

 

気持ちの重さには全く思い当たっていなかった。コンビニのゴミ箱に捨てた、ということは、捨てなくてはならなくなった、ということだ。

 

トイレ借りにきた人は缶コーヒーやガムを買って帰るのが相場だけど、ゼクシィ捨てにきた人は何買ったんだろう?

そんなことを思っている場合ではない。

 

資源ごみの回収日に、ビニール紐で縛って他の雑誌とまとめて捨てるなら、幸せな予定がこの先に入ったと考えやすい。

だけど、コンビニのゴミ箱に捨てにくるということは(バイトをしていた身としては、もっと軽くてペラペラだとしても雑誌を捨てられるのは困る)、幸せな予定がこの先に入らなかったと考える方が自然に感じる。

 

コンビニのゴミ箱に捨てる、ということに心の穏やかさが失われていることを想像してしまう。

 

明確な答えが出ないままだらだらと続いていく関係性にしびれを切らせたどちらかが、勝負を賭けたということなのだろうか。

 

白黒はっきりさせようとゼクシィを買って、リビングのテーブルの上に置いておく。

白黒はっきりさせた結果、ゼクシィはコンビニのゴミ箱に捨てられた。

 

終わらせたかった関係なのか、続けたかった関係なのか。

 

あれからもう8年が経つ。

白黒つけて得られた幸せは、長い時間を経て期待値を上回るものになったのだろうか?